法話


 お供え(お備え)
よく「お供えには何を?」と聞かれることがあります。これは、ある方から聞いた話ですが、「お供え」は、「お備え」に起源があるということです。つまり、神様・仏様・ご先祖様のためにお参りする為に「備える」ことからきているようです。
 広義から言うと灯明・華・香はすべてお供えです。神様へのお供えでは、お神酒・榊等がお供えですし、仏様であれば、お仏飯やお水やお菓子・果物がお供えですね。また、丁寧にされるご家庭では、お膳としてお供えされる所もあります。御仏飯をお供えされるご家庭では、お参りの後(朝・夕どちらでも良いとは思いますが、できたら朝の方が一日の初めとして良いかもしれませんが、・・・。)に食事として頂かれることも良いですね。ただ忙しい毎日なかなかできないことが多いですので、適宜でよろしいかと思います。前述の方が、「うちは、パン食なんですが?」と問われて、「パンでも良いのでは」と困られながらお答えにはなっていましたが・・・。
 大正生まれ以前の方で、「山海の珍味をお供えするのが正しい。」とか、「酒一升を」と言われた方がみえたそうですが、私としては、ご先祖様の供養(年忌法要や月並法要)としては、「その供養される方のお好みの物を」と答えるようにしています。 蛇足ですが、墓碑の開眼法要や閉眼法要では、お供え(お備え)として塩・清酒・洗い米が宜しいかと思います。四隅を清めるために・・・。
また、お仏壇にこ戴いた物をお供えして、後で頂くという習慣がありますこれを「お下がり」といいます。戴いた物をまずお仏壇にお供えしてからということは、仏様や先祖を敬うことからきていると思われます。お仏壇に長期間お供えしてから「お下がり」を頂く必要はありません。せっかく戴いた物が無駄にならないようにしましょう。また、お供え物が傷んだ状態で放置されることは、神仏並びにご先祖様に対して申し訳ないでしょう。生きている方に接していると思ってお供えすることが肝要です。枯れた花を放置して置く事のないようにしたいものですね。 よくお通夜や法事の帰りにお供え物を分配してお客様にお渡しすることがよくありますね。これも「お下がり」という観点からもまた合理的という観点からも有効だと思います。お経があがったお供え物を分けて頂く訳ですから、その功徳も頂ける訳ですから・・・